自宅に住み続けられないなら
住宅ローンのリスクヘッジは家賃で

 さて、住宅ローンを借りてマイホームを持っても、住み続けられないリスクはある。その際も返済は待ってくれない。もしも転勤、勤務先の移転、親の介護などで自宅として住めなくなった場合でも、人に貸せば賃料収入が入ってくる。これを元手にローン返済ができれば、住宅ローンを返せないリスクはなくなる。

 そのためには、自宅をいくらで貸せるかを調べておかなければならない。それは、物件検索サイトで同一物件、もしくは周辺の同じグレードのマンションの家賃のm2単価を割り出し、面積をかけて割り出すことができ、実態と大きくぶれることはない。

 たとえば、物件価格の4%で賃貸できるとしよう。これは額面なので、手取りに換算し直す必要がある。目安としては、管理費(集金代行など)5%、空室10%、修繕費5%、賃料収入に対する所得税などを10%とすると、額面の賃料収入の7がけになり、手取りが3割減った4%×70%=2.8%となる。この範囲で元利返済できれば、キャッシュアウトはなくなる。先ほどのローン定数表で金利1%、35年ローンならばこの範囲に収まることになるので、安心ということになる。

もはやローン返済を
急ぐ意味はなくなった

 以前、金利が2%程度の際には、ローンを繰り上げ返済することを筆者は勧めていた。たとえばこんな具合いだ。

「繰り上げ返済はノーリスクの金融商品に投資しているのと同じことになる。金利が2%なら、確実に2%の金利を得たことと同じ意味を持つ。普通預金に入れておいてもスズメの涙ほどの金利しかつかない時代に、住宅ローンの繰り上げ返済は確実にノーリスクで金利分の利回りを稼いでくれる優等生の金融商品である」

 しかし、今や状況は変わった。子どもの進学や親の介護などでまとまったお金が必要になるケースが増えているが、個人にまとまった資金を低金利で貸してくれるローンは住宅ローン以外に存在しない。もしものときのために、住宅ローンで余剰資金を手元に持っておくことが「転ばぬ先の杖」になる可能性がある。繰り上げ返済するなら、退職金や相続金などでまとまったお金が入り、出費の予想も立つようになってからで遅くないと、今では考えている。