三井住友銀行が月中に
フライングで金利引き下げ!
2月10日に前回のコラム「住宅ローンはマイナス金利導入の影響を受けるか」が掲載されてから2週間、住宅ローン金利に関するニュースは賑やかだ。
住宅ローンの固定金利は、各銀行が毎月20日前後に長期金利の動向を見ながら翌月の金利を検討し月末に翌月適用の金利が発表される。原則として、月中に新規貸し出しの金利が変わることはないため、前回のコラムでは「3月の固定金利は下がる可能性が大」と書いた。
しかし、「原則」が覆った。日銀がマイナス金利実施をスタートする2月16日に合わせて、三井住友銀行が2月16日以降の2月適用金利を引き下げたのだ。月中に金利を変更するのは異例のこと。1月末に発表された2月の10年固定金利は1.05%(当初10年間の割引きが大きいタイプ)であったのが、2月16日以降融資実行分についてそれより0.15%引き下げ、適用金利は「0.9%」となった。
このニュースがリリースされたのがマイナス金利実施の前日、15日の夕方のことである。他のメガバンク2行の住宅ローン担当者はにわかに忙しくなったことだろう。金利引き下げに追随すべきか(追随しない選択肢はないだろうが)、することになれば「いつから実行」するのか、三井住友銀行と同じ金利にするか、さらに引き下げるか…。すぐさま会議が開かれたのではないかと推測される。
結果、みずほ銀行は18日に10年固定金利を「2月22日から0.9%」にすると発表した。三井住友銀行に追随する形となる。そうなると、残るは三菱東京UFJ銀行。2月の金利を月中に引き下げるのか、それとも3月分から引き下げるのか、いくら引き下げるのかが注目ポイントとなった。
2月19日(金)の夜に筆者が講師の住宅ローンのセミナーがあったため、同日お昼過ぎに三菱東京UFJ銀行の広報に「金利は下げますか? セミナーがあるので最新情報を」をと電話で問い合わせたところ、「夕方まで待ってほしい」との回答で、セミナーに出かける直前に「3月の10年固定は0.8%」とする旨のリリースを受け取った。結果、メガバンク3行の10年固定は次のようになった。