参加者に配布された資料には、多様な党派・主義の参加者がいることへの理解を求める文言がある。「言わずもがな」だが、記載する必要性が実際にあるのだろう 拡大画像表示

制度と公的資金が動かないと
進まない「子どもの貧困」解決

 本記事では、2日目の8月26日午前中に開催された分科会の1つ「子どもの貧困と自治体のとりくみ」について、議員たちの反応を含めて紹介する。

 分科会「子どもの貧困と自治体のとりくみ」では、社会福祉士で元生活保護ケースワーカーの田川英信さんが制度面を、さらにNPO法人・CPAO代表の徳丸ゆき子さんが子どもたちと支援の実情を解説した。

分科会「子どもの貧困と自治体のとりくみ」が開催された会場には、約70名の議員たちの熱気があふれていた

 現在の生活保護制度では高校までの進学は認められているが、一般世帯の高校進学率が98.5%であるのに対し、生活保護世帯の高校進学率は90.8%。まだまだ大きな差がある。しかも生活保護での高校教育は、教育を受ける権利として認められているわけではなく、「収入を増加させ、又はその自立を助長することのできる」技能が習得できるから認められている。

 端的に言えば、「高校に行けば生活保護から脱却できる可能性が高まるだろう」ということである。生活保護制度の中で、義務教育の教育費は「教育扶助」として給付されるのだが、高校の教育費(高等学校等就学費)は「生業扶助」、作業服や安全靴と同じカテゴリーなのだ。

田川英信さん(社会福祉士)の講演は、法文や実施要領に血を通わせてきた元ベテランケースワーカーならではの説得力ある内容だった

 高校以後の教育については、そもそも生活保護のもとで進学することが認められていない。大学進学は、家族と同じ世帯に住んでいるけれども別世帯として扱う「世帯分離」や、昼間の就労を条件に大学夜間部などへの進学を認めるといった「お目こぼし」的な取り扱いにより、辛うじて「アルバイトに明け暮れる学生生活を送り、奨学金という名の多額の借金を背負えば、まったく不可能というわけではない」という状態になっているのが現状だ。給付型奨学金を「当たり前」にする制度改革が待たれる。

 このような制度の詳細や現状を知るには、研修などの機会を確保し、まとまった時間を割いて学ぶ必要がある。しかも制度の運用の実際は、通知・通達によって、しばしば変更される。しかし少なくとも、会場にいた約70人の議員たちは、最新の情報にキャッチアップすることができたはずだ。

 徳丸さんは最初に、CPAO始動のきっかけとなった2つの事件を紹介した。2010年に大阪市西区で起こった2児置き去り死事件と、2013年に大阪市北区で若い母親と2歳の子どもが変死体で見つかった事件だ。