たとえば、中学校の同級生と久しぶりに再会して、お酒でも飲みながら「最近、どんな仕事してるの?」と聞かれたとしましょう。

そこであなたは、ちょうどその日にあった商談の話を例にしながら、要点をかいつまんで説明しました。

すると、相手がこんなことを言ってきた。

「……え? それ、どういうこと? ごめん、よくわからない……」

そこで、あなたは少しあせりながら、詳しく内容を噛み砕いたり、別の例を持ち出したり、専門用語を一般の言葉に置き換えたり、話す順番を変えたりして、なんとか相手が理解できるまで工夫しながら、もう一度話すことになるでしょう。

誰かと会話をしている最中に、誰しも一度は、こんなことを言われた経験があると思います。

「ちょっと待って、今の話よくわかんない」
「で、結局、君は何が言いたいの?」
「もっとわかりやすいように説明してくれない?」
「……。(何も言わないけど、納得していない表情)」

これは、会話をしていれば、どこにでもある場面です。
別に、珍しいことではありませんし、悪いことでもありません。

重要なことは、会話においては、あなたの言いたいことが伝わらなかったとき、相手からすぐに「反応」があるということです。

そして、あなたは、話す内容や伝え方を変えることができる。
今、話した内容をすぐに修正して、「伝え直す」ことができる。

もう、私の言いたいことはおわかりでしょう。
文章は、「伝え直す」ことができないのです。