関東に100店舗以上を展開する、立ち食いそばチェーン「名代富士そば」。肉そばやカツ丼といったラインナップはお馴染みだが、実は独自のサプリメント「富士ルチン」も販売していることはご存じだろうか。そば屋とサプリメントという奇妙な組み合わせについて、名代富士そば・丹社長に話を伺った。(清談社 森 江利子)
働くサラリーマンの味方
「富士ルチン」誕生秘話
「2~3年前、お客様の健康を気遣う思いから、『健康のためにそば湯を飲みましょう』という旨のポスターを店内に張り出したところ、食後にそば湯を飲んで帰られるお客様が増えた。みなさんが健康を気にされていることを目に見えて実感し、より明確に“そば=健康”というコンセプトを打ち出していこうと考えたんです」
こう語るのは、名代富士そば社長の丹有樹氏(以下、丹社長)。名代富士そばが手がける「富士ルチン」は、そばに含まれる「ルチン」の健康効果に着目したサプリメントだ。価格は1包(4粒入り)150円。現在、富士そば各店舗で購入できる。
一般的にそばが健康的というイメージがあっても、具体的に何がどう健康に良いのか、知らない人が大半だろう。丹社長は、ぼんやりとしたそばの健康イメージを、分かりやすく形にする方法を考えていた。
そこでたどり着いたのが、そばに含まれる健康成分『ルチン』を、サプリメントとして形にする構想だ。強い抗酸化作用を持つルチンは、高血圧の予防や毛細血管の強化、生活習慣病の予防にも効果的なポリフェノールの一種で、そばに多く含まれている。
この発想を実現するため、共同開発に名乗りを挙げたのが、株式会社シーオーメディカルだ。湘南美容外科クリニックと提携し、主に女性向け美容商品や化粧品の開発・販売を行う同社と、サラリーマンの味方・富士そばの異色のコラボレーションによって、サプリメント「富士ルチン」が誕生した。株式会社シーオーメディカル代表の瀬出井亮氏はこう語る。
「業界としても、ルチンの健康効果には注目していましたが、それほど知名度がなかった。そのルチンを商品化し市場を開拓していく上で、富士そばさんとタッグを組めた意味は大きい」(瀬出井氏)