加計問題で臨時国会までも空転すれば、先進国の「笑い者」になる9月5日の国家戦略特別区域諮問会議 Photo:首相官邸HP

 今月下旬から臨時国会が始まります。巷の噂では、10月22日に衆院補欠選挙が行われるため、それに向けて野党はもちろん、これまで森友・加計問題で政権を追及してきた一部マスメディアが、再びこれらの問題で安倍政権を追及するのではと言われています。

 すでにこの連載で何度も述べてきたように、加計学園問題について、一部の護憲派メディアは客観的に明らかな真実をあまり報道せず、非常に偏った報道に終始しました。憲法改正反対という根底の動機からすれば、安倍政権の支持率が大きく下落したのだから、彼らなりに目的は達成できたのでしょうが、それが思わぬ副産物を生みつつある現実を、それらメディアは認識すべきではないでしょうか。

森友・加計問題に明け暮れた日本
米国から出てきた厳しい論調

 それは、海外の日本を見る目が厳しくなってきているという現実です。9月6日付けで米ハフィントンポストに掲載された記事がそれを象徴しています。

 アラン・スミスというマーケティング・ストラテジストの寄稿ですが、大事な記事なので、ちょっと長いですが意訳すると、「日本経済の再生は既得権益によって妨げられるのか」というタイトルの下、以下のような内容となっています。

「アベノミクスの第三の矢である構造改革は、長期の政策であり、実行して成果が出るまで時間がかかる。しかし、構造改革が進まないと、新たな経済活動が創出されないし経済の生産性も高まらない。人口減少が続く日本では、構造改革を進めて経済成長を維持することが死活的に重要なのである。

 そこで、安倍政権は国家戦略特区で構造改革を進めようとしていたが、最近、この構造改革への抵抗が大きくなっている。多くの官僚が、今までの自分たちのやり方を維持したいと考え、安倍政権の構造改革に公然と反対するようになり、野党も国家戦略特区は運用を停止すべきと主張している。