住宅設備と電力の“両巨頭”が提供する「日本初のサービス」は、果たして顧客に受け入れられるだろうか。
9月21日、総合住宅設備メーカーのLIXILグループと、東京電力エナジーパートナー(電力小売り事業を主体とする子会社)は、一般家庭におけるエネルギー収支を実質ゼロにする「ゼロ・エネルギー住宅」(ZEH : Zero Energy House。略してゼッチと読ませる)の普及・促進を目指す新会社を立ち上げると発表した。
ゼロ・エネルギー住宅とは自家発電設備や省エネ機器などを搭載する新築戸建住宅のことで、エネルギーの消費量を減らす機能を備えた高機能住宅を指す。設計はさまざまで、現在、家づくりに関する企業の間では顧客への売り込み合戦が盛んだ。
政府は、2020年までに新築戸建住宅の過半数をZEH化するという目標を立てている。16年度の実績は、国土交通省などの集計によると4.3%にすぎない。これまでは、イニシャルコストの高さなどが壁となって、あまり進んでいなかったのである。
そこで、政府の政策を後押しするという大義名分を掲げて、断熱性能の高い樹脂サッシなどの建材を豊富に取りそろえるLIXILと、東電グループの中でも新サービスの開発に意欲的な東電エナジーパートナーが手を組んで、双方のノウハウを持ち寄った「ZEHの導入コストを下げるパッケージ商品」を提供しようというのだ。