東京都下を東西に走るJR線に、中央線がある。東京へ遊びに行ったり暮らしたりする者にとって、JR中央線は「レジスタンス-ライン(抵抗線)」と呼ばれる。

 筆者は栃木県在住なので、JR中央線より南にある渋谷や六本木まで遊びに行くには抵抗感があって、新宿と銀座を結んだラインが「南限」になる。西日本の人の立場からすれば、JR中央線より北へ足を運ぶのは抵抗感があるらしく、やはり新宿と銀座を結んだラインが「北限」になるらしい。

 東京で暮らす場合も、北関東や東北地方の人はJR中央線よりも北側に住まいを構え、西日本の人はJR中央線よりも南側に住まいを構える。だからだろうか。レジスタンス-ラインとなるJR中央線の北と南では、街並みが何となく異なる印象を受ける。錯覚なのかもしれないが。

 ところで、株価チャートなどを用いたテクニカル分析にも、レジスタンス-ラインがある。上値抵抗線と訳される。株価が下降トレンドである場合に、高値と高値を結んだ線をいう。株価チャートには、サポート-ライン(下値支持線)というのもある。株価が上昇トレンドである場合に、安値と安値を繋いだ線のことだ。

4年前の70000円超が今や9000円に
任天堂の株価に見るレジスタンス-ライン

 そこで今回は任天堂のデータを拝借して、様々なレジスタンス-ラインやサポート-ラインを見てみよう。同社で検討するのは次の3点だ。

 1つめは短期的な視点であり、クリスマス商戦における季節変動がどれくらいのブームを巻き起こすのか。2つめは長期的な視点であり、任天堂が描く成長戦略の実現性はどれくらいなのか。3つめは、為替レートの影響である。なにしろ、2011年3月期における海外比率は83%にも達する企業だ。

 手始めに同社の株価(週足)をもとにして、レジスタンス-ライン(上値抵抗線)とサポート-ライン(下値支持線)を、次の〔図表 1〕で描いてみた。

 任天堂の株価は2008年以降、下降トレンドにあるので、〔図表 1〕で緑色の下値支持線(サポート-ライン)を描くのは、テクニカル分析としては不正確だ。そうした厳密な作図はさておいて、〔図表 1〕を何となく眺めていると、任天堂の株価は9,000円あたりまで下落して、そこから反転上昇するのかな、という期待くらいは持てそうである。

 4年前は70,000円を超えていた株価が、9,000円あたりで反転か、という話をしているのであるから、よくよく考えてみれば大変な暴落だ。任天堂の株価で深手を負った人もいることだろう。2011年2月に発売した「ニンテンドー3DS(以下、3DSと略す)」も株価回復の材料になっておらず、11年8月にはとうとう、ハードの大幅値下げ(25,000円→15,000円)を実施するところまで追いつめられた。

 株価がこの先、9,000円で折り返すのかどうかはともかく、株価が本当に反転上昇するには、業績の裏付けがなければならない。当たり前の真実である。それを以下で検証してみよう。テーマは「誤った経営分析や管理会計のノウハウを利用すると、将来の経営戦略を読み誤り、取り返しのつかない事態に陥る」という、こわ~い話である。後講釈みたいなところもあるので、軽く読んでいただきたい。