こうすれば「解決」できる
[改善方法]
デイヴが「理想的な例」で活用したテクニックのなかで、あなたにも利用できるものがあれば、それを書きだそう。
たとえば、毎朝、仕事を始める前にほんの3~5分でかまわないから、今日しなければならない仕事の予定を立てよう。そうすれば、仕事に追われて1日を受け身の対応ですごすのではなく、先を見越して行動を起こし、積極的に1日の仕事を進められるようになる。
つねになにかに追い立てられるようにして1日をすごすのではなく、もう少し腰を落ちつけて仕事を進めるために、はたしてどんな工夫ができるだろう?
たとえば部下や後輩に仕事をまかせる(「完全支配の放棄」とも呼ぶ)ことを想像するだけで、冷や汗をたらたらとかく人は多い。だが人に仕事をまかせれば、自分の時間が増えるだけでなく、一緒に働いている人たちの能力を伸ばし、後進を育てることもできる。さらには、経験を積む必要がある部下に仕事をまかせていれば、今後、実際に仕事が山積し、どうしようもなくなったときにも躊躇せず安心して仕事をまかせられるようになる。
毎日の作業を「3日分」書きだす
あなたがおこなう作業を3日分、書きだしてみよう。
だいたい平均的なものと思われる3日を選んでほしい。その3日間であなたが実際にどんな時間の使い方をしたかを、メモにして残すのだ。
使うのは、アナログのノートやメモ帳でもスマホでもいい。もちろん、石の銘板に彫り込んでもらってもかまわない。とにかく、メモさえ残せればなんでもいい。
さまざまな用事に時間をとられつつどうにか1日をすごすなかで、自分がそのときどきに最優先事項として取り組んだ作業を書きだそう。
このメモは、始業と同時に始めよう。べつに1日を細かな時間帯に分けて考える必要はないし、詳細をことこまかく書きだす必要もない。
ただ、あとになって「自分の1日はいったいどこへ消えてしまったのだろう?」と思わずにすむよう、おもな作業を書きだすのだ。
ノートなどを利用し、あなた自身の1日の流れを3日分書きだしてほしい。
さて、あなたはどんなテクニックを使ったときうまくいっただろう? どこでつまずいただろう? もっと生産性を上げたいと思っている同僚に、あなたならどんな助言を授けるだろう? あなたは明日、これまでとは違うどんなことをしたいだろう?
また、次のアドバイスはかならず役に立つので、うるさく感じるかもしれないが、胸に刻んでもらいたい。
どうしても取り組まなければならないのだが、そう考えるだけでうんざりし、なかなか着手する気になれない用事は、朝イチで片づけてしまおう。
ひるむな! 敢然と立ち向かえ!
重要なタスクをいつまでも先延ばしにしていると、それは重荷となり、あなたの胸にいつまでものしかかる。すると、ほかのタスクに集中するのがいっそう困難になる。
(本原稿はデボラ・ザック著『SINGLE TASK 一点集中術』から抜粋・編集して掲載しています)