そうか、そんな意味だったのか!
地雷を踏んだ「I can manage.」
私は、教科書に頼らず、実地体験を通して、体で英語を覚えてきました。文法がわからなければ、単語をつなげるだけでもいいから、とにかく話しかけてみる。
もちろん、通じないことも、意味を取り違えてしまうことも、時には相手を不愉快にさせてしまうこともあります。
たとえば、「I can manage.」という英文には、「イヤだけど仕方がない。はいはい、やりますよ」という否定的なニュアンスが含まれています。
けれど私は、「もちろん、やれます!!」という前向きな気持ちを伝える表現だと勘違いをして、お客様を驚かせてしまったことがあります(→連載の第4回で詳述)。
でも、失敗したら、その失敗から学べばいい。その失敗を次に活かせばいいんですね。私は何度も失敗を重ね、そして失敗から学び、英語力を鍛えてきたのです。
私は、TOEICテストも国連英検(国際連合公用語英語検定試験)も受けたことはありません。ですから私には、自分の英語能力を裏づけるものが何一つありません。
でも、人と人とのつながりのなかで磨かれた英語は、スコアでは測れないほどの「聴き切る力」「伝える力」を持っています。
渡米した当初、英語にまったく自信のなかった私は、まずニューヨークのストリートバーで「今日の食事にありつくための英語」を学びました(笑)。
最初の頃は、食べたいサンドイッチをオーダーするのもひと苦労でした。そして、生活英語の土台がだいぶ固まったあとで、いろいろなホテルでの経験を通して、だんだんと洗練された「ビジネス英語」を学び、やがては「Ritz-Carlton verbiage」(リッツ・カールトン言語)と呼ばれる「ホスピタリティ英語」を身につけることができたのです。