朝食にはホテル特製フレンチトーストよりも
家庭料理のメニューを優先

 自分で食べたいものを選択できる唯一といえる機会は朝食(といってもホテルのブッフェが中心)です。そこで松本さんが選んでいるのは、筑前煮、ひじきの煮物、きんぴらごぼう、サラダ、卵焼き、お味噌汁、ごはん、ヨーグルトといった家庭的なメニュー。決して、ホテルこだわりのフレンチトーストではありません。

 松本さんの食事の制約は極端な例かもしれませんが、食生活の改善を考える上で見習いたい重要なポイントが含まれています。それは、「理想と現実を切り離して改善点に優先順位をつけていく」という考え方です。

 松本さんの理想は、「自分で選んだ食材や家庭料理で食事を全てまかなう」ということ。しかし出張が多いので実現は難しいのです。だから、自分で選べる朝食は理想に近い家庭的なメニューを選び、改善できるところに集中して取り組んでいるそうです。

 もう一つ、改善点として挙げていたのは「出張続きの毎日を維持するための体調管理」です。長期のスケジュールを俯瞰し、それに合わせた食事を摂るようにしていると言います。

「食事は『時系列』で考える。つまり、『1日や1週間』で帳尻を合わせています。普段から食事に気を遣っていれば1食や2食で体調が乱れることはありません。だから、好きな物はカロリーや栄養を気にせず楽しみながら食べていい。たとえば、10枚くらいのパンケーキに生クリームがたっぷりのっているのを食べたりするのも良い。その代わりに、前後の食事で調整すればいい。

 仕事の付き合いでも、そういうことがありますよね。そんな時は、野菜を多めにしたり、メインは食べても、消化に悪そうな揚げ物や肉を避けて、翌日の朝食を工夫する。行き当たりばったりの食ではないってことが肝心なんです」

 実は、2年ほど前に半年間、私は松本さんの食のコーチングをさせて頂きました。コーチングを受ける前の松本さんは、シャンパンを代名詞にしたいくらい、お酒を楽しむことが多い印象でしたが、「優先順位付け」と「食事を時系列で考える」ことで、パフォーマンスを上げていました。(松本さんの体験記はこちらから )