アスペルガー症候群と自閉症の関係

「自閉症スペクトラム障害」という言葉を聞き慣れない人もいらっしゃるのでしょう。

 多くの医師は精神科で診断の際、米国精神医学会の作成する国際的診断基準である精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)を使用します。改訂第4版(DSM-Ⅳ)までは「広汎(こうはん)性発達障害」というカテゴリーの中に、多くのケースで知的障害を伴う「自閉症」、知的障害を伴わない「アスペルガー症候群」、一部自閉症の特徴を有する「特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)」などの分類がありましたが、03年に発行された改訂第5版(DSM-5)では、「自閉症スペクトラム障害」という単一の診断名に統一されました。

 自閉症といえば、アカデミー賞を受賞した映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じた青年を思い出す方も多いでしょう。言語や知能の発達に遅れはないアスペルガー症候群も、興味や関心が狭く、特定のものにこだわるなど自閉症と共通した特徴があります。そこでこれらの障害は境界線のない一つながりの連続体(スペクトラム)であるとみなされました。

 ただ、厚労省が統計分類で採用している世界保健機関(WHO)の国際疾病分類マニュアル「ICD-10」(2003年改訂)には「アスペルガー症候群」という分類があるなど、臨床の現場ではさまざまな診断名が使われています。

 少し混乱してしまうかもしれませんが、ここでは大人の発達障害で問題になることの多い、旧分類名である「アスペルガー症候群」を中心にお話しをします。

男性は「草食系イケメン」が多い

 アスペルガー症候群で圧倒的に多いのが男性です。男性は理数系、女性は文才がある人の割合が高く、男女共に運動が苦手です。

 高知能とアスペルガーはコインの裏表とも言え、特に言語理解の能力は総じて高く、超難関大学の入試を突破することも珍しくありません。医師や研究者として活躍している人も数多くいます。

 男性は、目鼻立ちのくっきりした聡明なイケメン率が高いと言えます。ただ、異性にそれほど興味を示さないため、結婚に至る人は多くありません。ジェンダーアイデンティティーの問題を抱えている人も多く見られます。