アラヤ(本社:東京都目黒区)は、中嶌重富社長が2004年に創業した新興の翻訳会社である。社歴8年ながら、今年度は年商16億円に達する見込みだ。前篇では起業したいきさつ、どのようにしてアラヤの特徴、強みをつくり上げていったかを聞いたが、後編では経営に対する基本姿勢、将来像、熟年企業の心得について語ってもらった。

「目からうろこ」だった採用活動
従業員は原則正社員だけ

苦労した採用活動で「目からウロコ」の経験<br />正社員主義を貫く理由と“熟年起業”の心得を語る<br />翻訳会社「アラヤ」中嶌重富社長のきまじめ経営【後編】なかじま しげとみ/1947年東京都生まれ。1966年東京都立千歳が丘高校卒業後、三井銀行に入行、国領支店、蒲田支店、恵比須支店などを経て、名古屋駅前支店融資課長、神保町支店得意先課長を歴任。89年7月末同行を退職。同年8月に翻訳会社の常務取締役に就任。2004年2月末に同社を退社し、同年4月にアラヤを設立し代表取締役に就任。

創業時に売上10億円という目標を立てたが、それを達成するには、まずは人を集めなければならな い。ネットを活用して求人活動を行ったが、それは中嶌氏自身も予想していない展開となった。

中嶌社長:会社を作った当初は、アラヤは海のものとも山のものともわかりませんので、誰も応募してくれない。会社設立当初に、年商10億円まで伸ばそうという壮大なプランを立てたので、ある程度仕事を取れてきたら、人をどんどん増やさなくてはいけないのに、だれも応募してくれない。

 今の時代ですから、新聞広告ではなくて、インターネットで求人をやって、ようやく応募してくれる人たちが出てきたんですが、その履歴書を見て、ものすごくがっかりしたんですね。「最初から全然ダメ」というような人しか、応募して来ない。