英国政府にはそういった信用があるため、格付け会社も英国債の格付けを最上位の「トリプルA」で維持しています。

 これに対して、イタリアやスペインが攻撃されるのは、政府に信用がないことも大きいのです。日本政府がイタリアやスペイン並みに信用されていないのは、G20などの国際会議を見ていてもよくわかります。

 日本には、英国以上に財政再建に取り組む余力があるはずです。そして、国債利回りが低い水準である今であれば、国民生活への打撃も比較的小さくできるはずです。

 それを理解できない政治家も、日本国債が投機マネーの攻撃を受ければ、目が覚めるでしょう。

大増税と社会保障費の削減でも
財政再建したほうがお得!

 このまま放漫財政を続ければ、遅かれ早かれ、日本は投機マネーの攻撃を受けることになります。その結果、日本は国際社会からも財政再建を強く迫られ、消費税の大幅な引き上げと社会保障費の削減を約束させられます。ここに来てやっと、日本の本格的な財政再建が始まります。

 国民は財政再建を受け入れざるをえません。このまま社会保障費の膨張を放置し、国家が破綻する道を選ぶのか、それとも、自分たちの生活が苦しくなっても、財政再建で国が生き残る道を選ぶのか。残された道が2つに1つしかないのなら、国民は後者を選ぶしかありません。

 なぜなら、もし財政再建を受け入れなければ、手厚い社会保障を失う以上の苦難に直面することを、私たち自身が本能的に理解しているからです。

 国家破産で得をするのは、借金が帳消しになる人だけです。ところが、日本人の1世帯あたり平均貯蓄額は、負債を差し引いても1100万円を超えています。コツコツ貯めてきた貯蓄がゼロになることを望む人は、おそらく1人もいないでしょう。

 政府から「国家破産か、財政再建か」という2つの選択肢を示されれば、大多数の国民はやむなく財政再建を選ばざるをえず、消費税による大増税と社会保障費の大幅な削減を受け入れるしかないのです。

 ですから、日本の将来にとって重要な論点は、「国家破綻するのか、しないのか」ではありません。考えるべきは、疲弊した古い社会システムを、財政危機をきっかけに活力ある新しい社会システムに変革することなのです。