病院で診てもらったことがない分、病気としては「ものもらい」より軽いという認識だ。一方、性器ヘルペスは性病。まさか自分がなるなんて、想像したこともないし、なった人も周囲にいないので「意識したこともない病気」なのだ。

 改めて、2つのヘルペスについて何も知らないことを自覚した尚美さんは、ネットで調べてみることにした。

「ええっと、口唇ヘルペスは、ほぼ半数程度の人は幼児期にこのウイルスに初感染し、症状が出るケースは少なく、自然治癒する。しかし、大人になってから、初めて感染すると症状が重症化することがある。そして一度感染すると、たとえ症状はおさまっていても、三叉神経節にウイルスは潜伏し続ける。なるほど、水疱瘡や帯状疱疹と同じだわね。

 性器ヘルペスは女性が男性の2倍発症しやすい。

 ウイルスは、普段はおとなしくしていても、過労やストレス、風邪、紫外線に長く当たったとき、免疫力が落ちたとき、生理等、体力が弱った時に再発を繰り返しやすい。

 そうね、よくわかる。それから…、え~っ、それはマズいでしょう」

 尚美さんは、次の3点に強い衝撃を受けた。

◎衝撃1:このウイルスは、体のどこでも感染する!

 ヘルペスという病気を引き起こすウイルスには、「単純ヘルペスウイルス1型」と「単純ヘルペスウイルス2型」の2種類があり、困ったことに、このウイルスは、身体のどこにでも感染する。それゆえ病名も部位別に、「ヘルペス性歯肉口内炎」「口唇ヘルペス」「顔面ヘルペス」「角膜ヘルペス」「性器ヘルペス」「ヘルペス性ひょう疸(そ)(手指に感染したもの)」、「臀部(でんぶ)ヘルペス」「ヘルペス性脳炎」などがある。また、新生児がかかった場合は、「新生児ヘルペス」と呼ばれる。

 口唇、性器だけでなく、角膜(目)、手指、お尻、脳まで感染するとは!しかも、それぞれの写真が結構グロで、痛そうなのにビビった。ただし、1型は、主に口唇や口の周辺、顔面などの上半身担当。2型は主に下半身担当ということになっている。

 だが、自分が発症しているのは口唇ヘルペスだからといって、性病は関係ないと安心するのは早い。