また、当然忘れてはいけないのは、次世代タバコは紙巻きタバコと同じくニコチンを含有しているという点だ。

「いずれは習慣的な喫煙行為は控えるようにし、禁煙を目指してほしい」という歯科医師の森下さん

 ニコチンは歯周病における危険因子であることは上述した通りだ。タールが微量であるからといって、歯周病を悪化させる要因を取り除いたことにはならならないことは肝に銘じておく必要がある。

 しかし、喫煙がなかなか止められずに苦しんでいる人にとっては、本人の判断で禁煙の第一歩として次世代タバコを代用することは、紙巻きタバコを吸い続けるよりは良いと考える。

 利用者には「アイコサー」という愛称がつけられるほど高い人気を誇る、次世代タバコiQOS。

 次世代タバコも程度の差こそあれ、紙巻きタバコと同様、歯周病を引き起こし悪化させる原因になることには変わりない。そのため、紙巻きタバコから次世代タバコに変えたことで、「口の中の状態が改善された」、という根拠のない自己判断、このような誤った解釈は決してしてほしくない。

 改善したかどうかについては、歯科医の判断を仰ぐことが重要であり、たとえ良くなったとしても油断することなく、定期的な口腔ケアを続けていく必要性がある。繰り返しになるが、禁煙を最終目標として次世代タバコを利用するということであれば、従来の紙巻きタバコを吸い続けることから考えれば、本人の口の健康、そして身体の健康にとっても望ましい選択であると考える。

 そしていずれは習慣的な喫煙行為は控えるようにし、禁煙を目指してほしい。

森下真紀
歯科医師・歯学博士・株式会社日本歯科総合研究所代表取締役社長。国立東京医科歯科大学歯学部歯学科首席卒業。在学時、英国キングスカレッジ歯学部留学。その後東京医科歯科大学歯学部附属病院研修医を経て、東京医科歯科大学大学院入学、博士号取得。日本学術振興会特別研究員(DC2)。また、株式会社日本歯科総合研究所代表取締役社長。「日本を世界一の歯科先進国へ」をミッションとして掲げ、歯科業界の発展に貢献すべく活動を行っている。