『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

「食べたかったなぁ。残念だなぁ」と伝えるのだ。

相手に怒りをぶつけることは問題解決にとって逆効果である

 楽しみにとっておいたケーキを家族に無断で食べられてしまった時、「ひどい!なんで断りもなく勝手に食べるの?」と相手をなじった経験がある方もいるのではないでしょうか。確かに勝手に食べてしまう家族の方に問題があるのは事実です。しかし、だからといって、相手をなじり、睨みつけることをしてもいい、というわけではありません。そういった行動の繰り返しが、相手に対する勇気くじきにつながるからです。

 私たちはそんなとき、勇気づけになる伝え方に転換することができます。それは先に学んだ「アイ・メッセージで伝える」という方法です。「『あなたは』ひどい!」という言葉はユー・メッセージです。それをアイ・メッセージに転換すればいいのです。

「あぁ、『私は』食べたかったなぁ。『私は』残念だなぁ」。このようにアイ・メッセージにすれば、相手をなじる勇気くじきをせずに、和やかに伝えることが可能になるのです。

 そもそも「怒り」は二次感情です。本来は一次感情である「さみしさ」や「悔しさ」「悲しさ」が先にあり、それが相手に理解してもらえないときに「怒り」へと変わっていくのです。そんなときは「なんで勝手に食べるんだよ!」とユー・メッセージの二次感情「怒り」で伝えるのをやめて、一次感情でアイ・メッセージを伝えればいい。「あぁ、『私は』食べたかったなぁ。『私は』残念だなぁ」。それが勇気づけにつながるのです。

相手に怒りをぶつけることは問題解決にとって逆効果であるアルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。