『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。
「食べたかったなぁ。残念だなぁ」と伝えるのだ。
楽しみにとっておいたケーキを家族に無断で食べられてしまった時、「ひどい!なんで断りもなく勝手に食べるの?」と相手をなじった経験がある方もいるのではないでしょうか。確かに勝手に食べてしまう家族の方に問題があるのは事実です。しかし、だからといって、相手をなじり、睨みつけることをしてもいい、というわけではありません。そういった行動の繰り返しが、相手に対する勇気くじきにつながるからです。
私たちはそんなとき、勇気づけになる伝え方に転換することができます。それは先に学んだ「アイ・メッセージで伝える」という方法です。「『あなたは』ひどい!」という言葉はユー・メッセージです。それをアイ・メッセージに転換すればいいのです。
「あぁ、『私は』食べたかったなぁ。『私は』残念だなぁ」。このようにアイ・メッセージにすれば、相手をなじる勇気くじきをせずに、和やかに伝えることが可能になるのです。
そもそも「怒り」は二次感情です。本来は一次感情である「さみしさ」や「悔しさ」「悲しさ」が先にあり、それが相手に理解してもらえないときに「怒り」へと変わっていくのです。そんなときは「なんで勝手に食べるんだよ!」とユー・メッセージの二次感情「怒り」で伝えるのをやめて、一次感情でアイ・メッセージを伝えればいい。「あぁ、『私は』食べたかったなぁ。『私は』残念だなぁ」。それが勇気づけにつながるのです。
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。
※本連載は日曜日以外の毎日更新します。