そして生命保険については無断で解約したり、さらに受取人を変更したり(例えば、子どもから妻の家族、再婚相手へ)保険料を滞納したりすることを禁止します。これらの約束には違約金を設定することが可能です。

 具体的には妻に「違反したら大変なことになる」と思わせることで、勝手なことをさせないようにする効果があります。違約金の相場はありませんが、例えば、年収分くらいを設定すれば、怖くて約束を破ることはできないでしょう。

 万が一、妻が途中で亡くなったら、妻がまとまった金額の遺産を残せば、子どもが遺産を相続し養育費に充てればいいのですが、現実問題として妻の収入では養育費を払いながら貯金することは難しいので、遺産は期待できません。万が一の場合、生命保険に頼るしかありません。だからこそ、念には念を入れて、生命保険を最後まで継続してもらえるよう工夫する必要があります。

面会トラブルを減らす
面会の申し入れを上手く断れる工夫

■母と子の面会について(第6条)

 母子関係は離婚後も続きます。離婚前に夫婦が別居、妻が子どもと会っていない場合、離婚後も「会いたい」と言ってこないでしょう。逆に別居中も妻が子どもと定期的に会っている場合、離婚後も妻と子どもの面会が続くことが予想されます。公正証書に面会の条件を盛り込む理由は決して「妻が子と面会しやすくなるように」ではなく、「面会トラブルを解決しやすくなるように」です。端的に言えば、妻からの面会の申し入れを上手く断れるようにするための工夫です。

 文中には面会を拒否できるシチュエーションとして「子どもが面会を拒否する意思を示したとき」を挙げましたが、あくまで一例であって、他の理由で面会を拒否できないわけではありません。