「まともな英語塾」を選ぶ7つのポイント
「環境づくり」に困った場合は、塾などの外部教育機関を使うことも検討してみてください。「塾に行かせたほうがいい?結局は自分の塾の宣伝ですか?」なんて言われてしまいそうですが、SLAのモティベーション理論でも、「仲間の存在」は大きな要素として考えられています。仲間と一緒に切磋琢磨する空気があることで、子どもはやる気を維持しやすくなります(Ryan & Deci, 2000; Noels et al., 2000)。
「プロの手を借りる」というオプションは、子どもの英語力を効率的に伸ばすうえでは王道中の王道です。何より、僕自身がそう信じているからこそ、「英語教育のプロによる指導が受けられる場」を実際につくったわけです。
そこでここでは、「まともな英語塾」を選ぶときの、僕なりの7つの基準をご紹介しておきたいと思います。体験教室や説明会などを受ける際の参考にしてみてください。
(1)音をベースにした指導を大切にしているか――文法偏重の学校授業の「先取り」をやるだけなら、長期的にはプラスの影響を期待できません。カリキュラムに音声学習が組み込まれているかどうかチェックしましょう
(2)日本人の講師がいるか――日本人の発音のクセや子どもの学校生活を理解できる指導者は不可欠です
(3)英語ネイティブの講師がいるか――いない場合、そもそも運営側に外国人講師のマネジメントをするだけの英語力がない可能性すらあります
(4)学年ごとのクラス分けにしていないか――一人ひとりの英語力にフォーカスしている塾は、安易な「学年別」ではなく、「できること別」のクラス分けにしています
(5)授業時間の長さは十分か――見識ある指導者なら、週1時間程度の授業では足りないとわかるはずです
(6)宿題とフィードバックが十分か――家庭での学習をどれくらい重視しているかの指標になります。宿題を出しっぱなしにして、まともにチェックしようとしないのも無責任です
(7)学校の成績にもプラスか――いくら「英語力が高まる」と謳っていても、生徒の成績が上がらなければ意味がありません。ある程度のお金をかける以上、「結果」への責任を意識している塾を選ぶべきです
※注:本記事の内容は『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』から抜粋・再構成したものです。記事中の参照文献・おすすめ教材などは、こちらのサポートページでご確認いただけます。
「世界最高の子ども英語」専用サポートページ
https://booksdiamond.wixsite.com/childenglish
J PREP斉藤塾代表/元イェール大学助教授/元衆議院議員。
1969年、山形県生まれ。イェール大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。研究者としての専門分野は比較政治経済学。ウェズリアン大学客員助教授、フランクリン・マーシャル大学助教授、イェール大学助教授、高麗大学客員教授を歴任。
2012年に帰国し、中高生向け英語塾を起業。「第二言語習得理論(SLA)」の知見を最大限に活かした効率的カリキュラムが口コミで広がり、わずか数年で生徒数はのべ3,000人を突破。海外名門大合格者も多数出ているほか、幼稚園や学童保育も運営し、入塾希望者が後を絶たない。
主な著書に、『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)のほか、10万部超のベストセラーとなった『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『10歳から身につく 問い、考え、表現する力』(NHK出版新書)、また、研究者としては、第54回日経・経済図書文化賞ほかを受賞した『自民党長期政権の政治経済学』(勁草書房)がある。