このためインデックスファンドでは、運用手数料を含めた経費率の引き下げ競争が激化しており、この傾向は日本の運用ビジネスにも表れるようになりつつある。

 恐らく、「つみたてNISA」などを通じて運用の啓蒙が進むと、インデックスファンドばかりでなく、アクティブファンドも運用管理費用の引き下げが、遠からず必要になるだろう。

 端的に言って運用業界は、そのサービスの価値に対して、これまで高い手数料を取り過ぎてきたのではないだろうか。

 ちなみに「スマートベータ」は、アクティブ運用としては手数料が安いが、二昔くらい前のクオンツ運用の単純なものを、「安価なアクティブ運用」として商品化しただけのものなので、現在あるものには全く魅力を感じない。

 インデックスファンドの運用は、寡占化しやすい装置産業だが、AIと呼ぶほど大げさなものでなくても十分ソフトウェア化できるはずだ。ETFをうまく使うことができると、相当にローコストな商品が可能なはずだし、現実的に、低手数料化したインデックスファンドにあっては、インデックス業者のインデックス使用料(資産残高に対して年間3ベイシスポイントくらい取る場合がある。暴利だ!)が問題になっているような状況もある。

 今後、意欲のある個人が資産運用のベンチャーを考える場合、運用会社を立ち上げてファンドマネージャーになって成功しようとするよりも、インデックスベンダーを競争相手にして、「運用に向いたインデックス」をより良心的な価格で提供すると案外面白いかもしれない。

 アクティブファンドのファンドマネージャーは、まだまだ残るだろうし、やり甲斐のある面白い仕事であり続けるかもしれないが、彼らの商品(=運用サービス)の価格は、急速な下落傾向をたどる可能性がある。

 銀行員に就職するのと、ファンドマネージャーを目指すのと、どちらが不利なのかは、一概には決められない問題なのかもしれない。

仮想通貨時代の資産運用業を想像してみた

 少々想像を膨らませてみよう。

 いわゆる「お金」を金融機関の口座間でやりとりする時代から、ブロックチェーンの技術を使った仮想通貨で、個人同士や企業同士が直接支払いを行い、たとえば、有益な情報提供や優れた芸術の提供者には仮想通貨で、いわば「投げ銭」するような経済活動が一般化するときは、案外すぐにやってくるかもしれない。