服装と姿勢で自己プロデュース能力がわかる
“自分の見え方“を知るのが近道
学生の就職活動といえば、“黒や紺のリクルートスーツ”が真っ先に浮かぶことでしょう。まるで制服のようにビシっとお揃いの色合いのスーツで整列している姿は、実に壮観です。リクルートスーツは、「相手に悪い印象を与えない」という点については、非常に効果が高いチョイスです。
しかし、採用する側からすると、揃いも揃って同じ格好をされると、どうしても覚えていられなくなりがちです。特に、私は年間で数千人の人と名刺交換をしたり自己紹介しあったりしています。脳内の「人物ライブラリ」は、相当な飽和状態で、名前と顔を覚えていられるのはほんの一部に限られてしまいます。
これは、新卒採用に限った話ではなく、日本企業の方が中途採用に応募してきた場合にも同様です。あまりにも無難すぎる服装や髪型だと、印象に残らずあとで思い出すのに苦労して、結果的に選考に残らないなんてこともあります。
もちろん、奇をてらった服装をすればいいというものではありません。赤いスーツを着たりド派手な化粧をしたりしても、好印象を与えるのは難しいですね。どうすればよいかといえば、「自分に似合う洋服を選ぶ」もっと言えば「自分をよく見せるすべを自分で理解する」ということになります。
私はファッション評論家ではありませんし、そもそも長髪・ひげ面という日本社会においては完全なる異端者です。ただ、「何が自分に似合うのか」については、常に研究をするようにしています。体形や雰囲気、キャラクターを理解しつつ、その場に適した服装をするのはグローバル仕事人としては当然の振る舞いであるといえます。
華美な格好をしましょうと言っているのではありません。まずは自分がどのように見えるのか、どのようにすれば魅力的に人の目に映るのかを知ることが、成功を手に入れる近道だということです。
他の人からどう見えているのかを理解していないのに、採用担当者にいい印象を与えようとしてもうまくいかないでしょうし、独りよがりになりすぎるリスクもあります。特に、男性は女性に比べて自分の外見に対する興味が薄い傾向があります。