安くて、速くて、とにかく薄い──。
米ラスベガスで開かれているCES(国際家電見本市)では、そんな三拍子がそろったノート型パソコンの新ジャンル「ウルトラブック」が、大きな存在感を放っている。
ウルトラブックとは、米半導体大手のインテルが提唱する新しいノート型PCのカテゴリーだ。明確な定義はないが、おおよその条件は3つある。それは厚みが2センチ以下の極薄であること、高性能・低消費電力のインテル製のプロセッサーを使っていること、そして価格が1000ドル前後と安いことだ。原則として光学ディスクやハードディスクドライブは内蔵せず、記憶はフラッシュメモリのみというもの。
CESのメインホールに陣取るインテルの展示ブースには、米ヒューレットパッカードや東芝、アスース、レノボといった大手パソコンメーカーなど8社の新型ウルトラブックがずらりと並ぶ。特筆すべきは、やはりその薄さだ。アルミ合金などで作られる筐体は、これまで1インチ単位(1インチ=約2.5センチ)がスタンダードだった厚みが、1センチ以下とミリ単位になった。「本当の“ノート”の厚みでしょ」とブースのスタッフは説明する。
このコンセプトを聞いて、お気づきの方もいると思う。実はウルトラブックは、アップルが売り出している極薄のノートPC「Mac Book Air」に対抗するための商品群といっても過言ではない。