ストーリー作りのこつ

 ここで、西洋式ストーリー作りのこつを一つお教えしよう。まず、日本語で話の流れを作ってみる。その際、1枚の紙に一つだけメッセージを書き、それを重ねて、紙芝居のように話の流れを作る。

 次に、その順番を逆にして後ろから並べてみよう。それを英語に訳し、最初から読み直す。そこで、「なぜなら」(because)と付け、紙と紙のロジックをつなげていく。

 読み直すと必要のない情報やメッセージが見えてくるので、それらを削除する。またロジックが飛躍している箇所があれば、飛躍している部分の中身を補強するのだ。これでストーリー作りがずいぶんと楽になるだろう。

 他にも、キーワードの使い方に気を付けたい。例えば、米国で「ベンチャー」というと、ほとんどの場合「ベンチャーキャピタル」を指す。日本でいう「ベンチャービジネス」は、米国では「スタートアップ」だ。

「ビジネスモデル」は日本では「事業アイデア」くらいの意味で使われるが、英語では「売り上げの稼ぎ方」「事業が成功する仕組み」と具体的な方法論を指す。

 このように、日本で使われているカタカナ語をそのまま英語に使うと意味がずれてしまうことがある。一般的には、英語の方がより具体的な意味を示すことが多いようだ。

 英語は道具にすぎないが、こちらの意図が伝わらなければ、国際ビジネスのスタートラインにもつけない。たかが英語、されど英語。これからの企業リーダーには、伝え方の訓練がますます重要となる。

*「週刊ダイヤモンド」2017年12月2日号からの転載です