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スライドでわかる!「×(かける)マーケティング」集中講座

日本ブランドのグローバル戦略に
必要なのは「原点回帰」

変わり続ける「戦術」と変わらない「本質」

山崎浩人
【第2回】 2012年2月1日
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 しかし、情緒的付加価値といっても、ただ感情に訴えればよいというわけではありません。ブランドのコア・コンピタンスは何なのか。その本質を深く見つめ直すことによって、初めてそのブランドだけが持つ「本質的価値」が浮かび上がり、人の心に訴えられるものになります。

 さらにはそこに世の中に貢献できる「社会的価値」といえるものがあるか、といった点も踏まえる必要があります。「企業の目的は利益を上げること」という考え方の経営者も多いと思いますが、かのピーター・ドラッカーは「利益は企業の存続の条件であり、目的ではない。その目的は社会貢献である」という言葉を残しています。

 東日本大震災で企業の目的・役割について再考された方も多いと思いますが、企業がそのビジネスを通じて「いかに社会に貢献するか」といった点が、ブランドの価値を伝える際においてもあらためて重要になっていると私は考えます。

 たとえば「ユニクロ(UNIQLO)」を展開するファーストリテイリングのステートメントは「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」というものですが、ここからは“服を通じて社会に貢献しよう”というメッセージが読み取れます。こうした指針に基づいてブランドの価値を追求していった結果、ユニクロは高級ブランドとも低価格ブランドとも異なる、他とは異なる「先進的な」ブランドへと成長を遂げたのではないでしょうか。そこには企業が事業や商品を通じてどのような価値を社会へ提供しているのか、という視点があります。

 「マーケティングの技術はブランド構築の技術そのものである。もし、あなたが提供しているものがブランドでなければ、それはコモディティにしかすぎない。そしてコモディティの世界では価格こそがすべてであり、低コストの生産者が唯一の勝者となる」(フィリップ・コトラー)

 今やコモディティ化はあらゆる業界・製品カテゴリで課題となっています。その流れに対抗し、ブランドの価値を伝えるための戦略として、積極的に「情緒的付加価値」を伝えることがこれからますます重要になってくるでしょう。

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山崎浩人


スライドでわかる!「×(かける)マーケティング」集中講座

数々の先進的マーケティング手法と事業の開拓を手がけてきた筆者が、「ソーシャル×ブランディング」の視点から、個人と企業、社会のこれからの成長モデルを解き明かす。インフォグラフィックス(スライド)を豊富に用いた次世代マーケティング (Marketing3.1)講義。

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