「リニアで無料」には
実は競合がいない

 AbemaTVは競合に対して、以下の図1のようにポジショニングされる。

◆図1:AbemaTVのポジショニング


出所:サイバーエージェント資料を一部修正 拡大画像表示

 図からは、「リニアで無料」という象限には、競合がいないことを示している。この競争構造がAbemaTVのビジネスモデルの特徴と言える。この点を要約して言えば、

(1)インターネットで見られる
(2)リニア視聴
(3)原則無料
(4)24時間放送
(5)約25チャンネル

 などが挙げられる。

 インターネットによる配信には、リニア・タイプ(たれ流し)とオンデマンド・タイプの2つがある。前者は、テレビと同じように、局から一方的に映像が流れる方式であり、必ずしも番組の最初から見られるとは限らない。後者は、視聴者が自分でスイッチを押した所から映像が始まる方式である。航空機の国内線でイヤフォンから流れる音楽が前者、国際線でシート前のディスプレイで見られる映画が後者と考えればわかりやすい。

 インターネットが登場する前は、すべてのメディアはリニア・タイプであった。最初から視聴したいユーザーは、番組の開始時刻に受像機の前に座るか、録画機器を使うしかなかった。

 しかしインターネットの登場を機に、多くのコンテンツがオンデマンド・タイプで流されるようになった。以前、本稿で紹介したリクルートのスタディサプリも、オンデマンド・タイプである。

 冒頭に述べたように、AbemaTVはリニアの方が面倒が少ないと考え、敢えてリニア方式にしたのである。