ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
コンテンツ業界キャッチアップ

直近決算の営業利益予想が昨年比2倍増&上方修正!
石川祝男社長に聞くバンダイナムコHDの強さの理由

石島照代 [ジャーナリスト]
【第26回】 2012年2月20日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
5
nextpage

石川:SNSはプレイ時間が5分や10分というライフスタイルです。業務用、つまりアミューズメント施設に来る人たちは「ゲームをするぞ!」って来て、それなりに時間をかけて遊んでいる。家庭用ゲームとなると、家で腰を据えて遊んでいる感じですよね。

 それぞれの市場規模に応じて、それぞれの出口できちんとビジネスをするということを心がけることが、コンテンツビジネスでは重要なことです。

勝因その3・出口ではなくIPを軸にした事業部制で、
内部争いをやめさせる

石島:たしかに出口は非常に重要ですが、ゲーム業界で多いのがいわゆる「縄張り争い」です。業界の事業部制は、業務用、家庭用という出口を基本にして作られることが多い。そうしますと、IP(知的財産、業界では自社コンテンツを指す)が人気であればあるほど、どちらで先に作るかということで内部争いが勃発しがちですが、これはどのように解決していますか。

石川:バンダイナムコゲームスは市場別の事業部制を取っていません。昔はご指摘の通りでしたが、それでは我々のようなコンテンツプロバイダー型ビジネスの良さを最大限生かせません。なぜなら、それぞれの事業部が自分たちの売上しか考えなくなるからです。

 たとえば、「家庭用ゲーム作ったから、売り上げ落ちたけど、どうしてくれるんだ」っていう感じで、家庭用、アーケード、それぞれの事業部がケンカになることも少なくなかった。でも、これほど不毛な争いはありませんよね。

「機動戦士ガンダム エクストリーム バーサス」(C)創通・サンライズ (C)創通・サンライズ・MBS

 昨年発売しました、家庭用ゲーム機プレイステーション3用ソフト「機動戦士ガンダム エクストリーム バーサス」を例に説明しましょう。このコンテンツはアーケード市場先行でしたが、家庭用もおかげさまで50万枚近く出荷できました

 当然、一時的にアーケードの売り上げは落ちます。家でじっくり遊べるんだから。でも、我々はその売り上げが一時的に落ちるっていうのも前提で、その次のプログラムやマーケティングプランを組んでいる。それを可能にしたのがIPを軸とした事業部です。

previous page
5
nextpage
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

コンテンツ業界キャッチアップ

ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

「コンテンツ業界キャッチアップ」

⇒バックナンバー一覧