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介護ロボットよりも先に普及しそうな
高齢者の“相談相手“ロボの実用度

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第444回】 2018年3月13日
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薬の服用時間を知らせてくれる

 エリキューの機能には下のようなものがある。

 メールやソーシャルネットワーク(SNS)のアップデートを知らせてくれる。家族から写真が送られてきたりすると、それを表示。返事をするかどうかを尋ねて、ユーザーの写真を撮影する。やりとりは、すべて音声だ。この機能は、SNSの操作が苦手な高齢者にも、SNSで家族や友達とつながりを保つのを助けてくれるわけだ。

 毎日の薬の服用をリマインドしてくれる。高齢者になると、そうしたことを忘れがちになるわけだが、日々リマインドしてもらえたら、忘れなくなるばかりか、生活を見守ってくれる誰かがいるという感覚も芽生えるだろう。

 アポをリマインドする。「そろそろ、お友達とのエクササイズの時間ですが、ちょっと練習しますか」などと聞いてくる。出掛ける際には、車も呼んでくれる。

 あるいは、デジタルコンテンツの中から興味を持ちそうなものを教えてくれる。例えば、TEDトークなどだ。自分では探すのが面倒でも、興味のある分野などをあらかじめインプットしておくと、それに合わせていいものを見つけてくれるのだ。

 アマゾンのエコーやグーグルホームなど、最近日本でも広まっているAI搭載のスマートスピーカーも、これと似たような機能がある。言葉でやりとりし、それに応じて情報を提供してくれる。だが、エリキューの場合は、高齢者に照準を合わせて機能性を研ぎ澄まし、カメラによってユーザーの顔面や感情認識を行って、より個々人にふさわしい応答ができるように考えられているのが大きな違いだ。

 ペットのようなロボットで癒されるのも一手だが、エリキューのようなロボットで自立し、元気を保てるようサポートしてもらうのも、高齢者の生き方の方法だろう。日本にはちょっと新しいコンセプトかもしれないが、こうしたロボットも、今生まれつつある新種である。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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