外国人労働者の大部分を占める
留学生と技能実習生の実態

 はじめに留学生について、同じ「留学生」といっても、大学院の博士課程から日本語学校の学生まで、その中身は多様であることに注意が必要である。法務省は、2010年から日本語学校に通う外国人学生にも「留学」の在留資格を与えている(それ以前は、高等教育機関に通う留学生と区別して「就学」という在留資格であったが、一本化された)。

 では、在籍段階別の留学生の就労実態はどのようになっているだろうか。日本学生支援機構のデータにもとづき、アルバイト従事率の推移をまとめたものが図表5である。

◆図表5:在籍段階別 留学生アルバイト従事率推移

 図表5から、大学・大学院に通う留学生のアルバイト従事率の低下傾向、専修学校・日本語教育機関に通う留学生のアルバイト従事率の増加傾向が認められる。特に日本語教育機関(いわゆる日本語学校)では、5年間で約10ポイントも増加していることは注目に値する。日本語学校に通う留学生のなかには、アルバイトに明け暮れ、授業中は居眠りをしたり、日本語学習が二の次になっていたりする人がいる話も聞かれる。

日本語学校の留学生が
アルバイトせざるを得ない理由

 なぜ、日本語学校の留学生アルバイト従事率が増加しているのか。その背景には、(1)労働需要側の要因と、(2)労働供給側の要因(アルバイトがしやすい、せざるを得ない要因)が絡んでいる。

(1)労働需要側は、高い日本語能力を必要としない比較的単純な作業や、深夜早朝業務などで特に人手不足が深刻化していることが挙げられる。一方、(2)労働供給側は、(a)諸外国と比べて留学生に認められる就労時間が長いこと(週28時間まで就労可能)、(b)日本語学校が適切な教育を提供しているか、公的な第三者機関が定期点検する仕組みがなく(自己点検・評価のみ)、留学生の管理監督が不十分な日本語学校が少なくないこと、(c)海外現地の留学斡旋機関に借金をして来日している留学生が一定数いることなどが要因として考えられる。