このうち華北地区の勝者は、河北省の省都である石家荘市だ。同市は昨年、9.53万人もの人口増加を記録。また、北京の都市機能の移転先に雄安新区が指定されたこと、さらに「京津冀(北京、天津、河北省)一体化戦略」の実施も相まって、河北省も恩恵を受けていることが見て取れる。

 東部の経済大省、福建省の省都である福州と、厦門(アモイ)も、ともに9万人増となっている。戸籍人口200万人あまりの厦門が、こうした成績を収めたことは目を引く。人口基数800万〜900万人の山東省の青島市、江蘇省の南京市の成績も悪くない。

 湖南省の省都である長沙は、中部地区での一番の勝者だ。中部の大都市の人材争奪戦では、長沙の人口増は第1位で27.29万人。2016年も21.34万人に達していた。

 有能な人材を求めている河南省の省都である鄭州と、湖北省の省都である武漢はそれぞれ15.7万人、14.78万人増となった。2017年、大学卒業後に武漢に留まって就職したり起業したりした人は30.1万人、新たに居住した者は14.2万人となった。

 直轄市である重慶の人口増加は、引き続き西部で一番である。重慶の2017年の常時居住人口は26.73万人増と、西部地区の主要都市で第1位だ。

厳しい戸籍制度にも
メスを入れ始める

 周知のように、中国ではこれまで厳しい戸籍制度が実施されていた。「農村戸籍」と「都市戸籍」の区別があり、農村戸籍の所持者が大都市に定住しようとしても非常に困難だった。しかし、近年の人材争奪戦は、そうした戸籍制度にもメスを入れ始めている。

 四川省の省都である成都は、大学を卒業すると定住が可能となる戸籍政策を前面に出した結果、2017年、定住人口が36.4万人増えた。陝西省の省都である西安も、2018年からこうした新たな戸籍政策の実施に踏み切り、1月1日から現在まで、すでに15万人以上が定住するなど、一定の効果を出している。