「一流のビジネスパーソン」たちは、日々どのように「ノート」を活用しているのか。マッキンゼー出身で、現在は「探究型の教育」を実践するラーンネット・グローバルスクールを運営する炭谷俊樹氏に、同じくマッキンゼー出身で「一流のノート術」を研究する大嶋祥誉氏が、「プロフェッショナルのノート術」について迫る。
目次づくりによって「構造」を理解する
大嶋 マッキンゼー時代から、炭谷さんはものすごく頭の中が整理されていて、講演などの構成もすばらしいと感じるのですが、情報を整理するコツ、講演やプレゼンなどでアウトプットをする際のポイントはどこにあるんでしょうか?
Photo by Tomomi Matsuno
炭谷 私の場合、アウトプットはたいてい講演、講義、あとは本ということになるんですが、一番のポイントは階層構造を意識しながら、目次を作るということです。
自分が話したい項目が5つあったら、それぞれの項目に3つのポイントがあって……という具合に論理構成を組み立てつつ、まず目次を作る。それが基本です。
大嶋 それは、ピラミッドストラクチャーで、ノートに書くということですか?
炭谷 正確には、ノートに書くこともあれば書かないこともあります。以前は、ノートに書き出していたのですが、次第にノートがなくても頭の中で、ピラミッド構造を描けるようになったからです。
また、たしかにピラミッド構造ではあるんですが、目次の場合はもう少し簡易的です。ピラミッド構造だと、文章でしっかり書いてロジックをよりクリアにしていきますが、目次は、キーワードだけの場合もあります。いずれにしても、まずそういった目次を作って、そこから肉付けしていくというイメージです。
大嶋 その手法はマッキンゼーで学んだものですか?
炭谷 いえ、この方法は、大学時代に栗山実さんの『速学術入門』という本を読んで、取り入れました。
ピラミッドストラクチャーは、その後マッキンゼーに入ってから初めて知りました。
大嶋 ということは、炭谷さんは大学時代から、論理構造を考えながら目次を作るという作業を普通にやっていたんですね。それは驚きです。
炭谷 私は物理学科だったんですが、学科のセミナーで1時間くらい話す機会があったんです。そのときに何も見ずに話したら「よく全部覚えたな!」ってみんなに驚かれました。そのときのポイントも、まさに目次作りです。