「長時間労働の是正」によって、時間の使い方は大きく変わってくる。たとえば、子どものいる家庭では空いた時間で夫婦が共同で子育てができるため、女性が働きやすい環境をつくることができる。他にも地域活動への参加や自己成長の時間に費やすなど、“できること”が広がっていくのだ。

 そのような流れから「ワークライフバランス」や「有給休暇の取得」など、プラスの面ばかりが取り沙汰されているが、実はここに大きな落とし穴があるのをお気づきだろうか。

 いま、ほとんどの会社では、人口減少による人手不足に悩まされている。しかしだからといって、業績向上や成長発展を諦めるわけにはいかない。つまり、これからの課題は、「少ない人数で、短い時間で、今以上の業績を達成しなければならない」ということだ。

 もちろん、勤務時間を減らしたり、いろいろな働き方を提案するなど職場環境が改善されることは喜ばしいことだ。だが、それによって、一人ひとりの「能力」や「成果」がこれまで以上に重視される厳しい時代にもなったということを覚えておいてほしい。

 特に、若手社員は「早く帰れる」「自分の時間が持てる」などと能天気なことを言っている場合ではない。これからは、スピードと効率をより求められるようになるため、若手社員は一日でも早く一人前にならなければならないのだから。

 そう考えると、この「働き方改革」は自分の能力を一気にレベルアップすることができるチャンスでもある。時間が限られた中で、いかにうまく仕事をこなしていけるか工夫していくことは、自分自身の“改革”にもなるかもしれない。