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あなたの個人情報・行動はこうして売買される!
ビッグデータ時代の暗闇“ブラックマーケット”の実態

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第9回】 2012年3月30日
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――データ・ブローカーから買い取ったさまざまなデータを組み合わせ、より高度な個人情報を組み立てる方法もあると言うが、それはよく行われていることなのか。実際、われわれがソーシャルメディアに書き込む情報や、スマートフォンなどが生む位置情報など多数のデータを組み合わせることによって、すでにかなりの精度まで個人が特定できると聞く。

 複数のデータをもとに、パズルを解くようにして、個人像を構築するというのは、まさにブラックマーケットがめざしていることだ。もし、パブリッシャー側が技術的に膨大な量のデータを高速で生成できるならば、外部からもとの個人を再構築することは不可能ではない。

 たとえば、フェイスブックは2010年に、APIの利用規約の中でインデックス化できるファイルに制限を設けたことがあったが、それはその手の再構築が容易にできるようになっていたことがわかったからだ。ただ、どの程度まで個人が特定できるのかの精度については、人目を避けて行われていることなので、はっきりはわからない。

――パブリッシャーは、利用規約を定める以外には、オープンAPIを野放しにすることしかできないのか。

 いくつか方法はある。たとえば、APIにアクセスできる度合いに制限がかかるようにすれば、全データが採集されるのは防げる。また、APIへのアクセスの承認プロセスをより強化することもできる。

――利用規約を破る違反行為は増えているのか。

 一時に比べると減る傾向にはあるのではないかと見ている。ひょっとすると、もっと深いところに潜ってさらに見えにくくなっているのかもしれない。また、手前味噌だが、グニップのようなサービスができたことによって、膨大な手間と時間をかけてデータをつぎはぎするようなことが意味をなさなくなった。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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