ワナ7
「『受験生の親』という立場を利用した
充実感を求めてしまう」

 子供の受験は、親にとっても大仕事です。緊張や不安の裏返しで、妙にハイテンションになってしまう気持ちもわからないではありません。何かしてあげたいという焦りや、でも勉強自体は代わってあげられないというもどかしさもあるでしょう。

 そんな気持ちの隙間に入り込んでくるのが、このワナの誘惑です。勉強の進み具合を必要以上に頻繁に聞くことで、「こんなにも心配している自分」をアピールするもよし、ことさら腫れ物のように扱うことで、「家族としての協力体制」を実感するもよし。子供から「もう、うるさいな!」といった反発を受けるのは、受験生の親としての実感を確認できる絶好のスパイスの役割を果たしてくれるので、むしろ望むところです。

 言うまでもなく、受験生本人にとっては、ありがた迷惑以外の何ものでもありません。うっとうしいぐらいならまだしも、誰のための受験かカン違いさせられて、「親のために勉強してやっている」という気持ちを抱いてしまう悲惨なケースもよくあります。いったんそう思ってしまったら、自発的に勉強に取り組むのは困難だし、たとえ志望校に合格しても「自分はこれでよかったのかな......」といった疑問が遠からず浮かんでくるでしょう。

 親としては、わかりやすい充実感を求めたくなる気持ちをぐっとこらえて、どこまで突き放せるかが「勝負」なのではないでしょうか。「自分のための受験」という自覚がない受験生が成績を伸ばせたためしはないし、ないままでは合格の本当の喜びも得られません。

 どんなに突き放そうとしても、心配している気持ちはちゃんと伝わるし、時には余計なことも言ってしまいます。本当の意味での邪魔をしてしまわないように、頑張って普通にしていきましょう。
 
 次回からは、受験生の困った主張への対処法をお届けします。


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「学生目線、大学外から見た実像とほぼ当たっており、参考になった」(大学教員)

「受験生の親」が陥りやすい<br />7つのワナ【後編】

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