「食べることはご褒美。みんな頑張っているのだから、食べたいものを食べてほしい」
そう話すのは、かつて永六輔さんも常連だったというフレンチレストランのオーナーシェフでもあり、今は会員制のプライベートレストランのシェフ兼出張料理人として仕事をしている山本明弦さん(55歳)。
フレンチのシェフという、ともするとヘルシーやダイエットとは真逆にあるような立場の方からどのようなことを教えていただけるのか、少し緊張しながらインタビュー先に向かいましたが、帰り道は、不思議と温かい気持ちに満たされていました。
今回の山本さんのお話を聞くと、「そうした健康管理の方法なら自分にもできそう」と思える何かを見つけられるだけでなく、“食べる”ことの意味を改めて考えるきっかけになるかもしれません。
翌朝、お腹がすく夕食が理想的!
ポイントは「口休め」と「食べる順番」
“フルコースを食べてもらっても、翌朝はきちんとお腹がすいていて、軽快に朝食が食べられるような料理をつくる”
それが、料理人として山本さんが意識してきたことでした。
「次の日にダメージが残るような食事は本質じゃない。もちろん、食後はお腹いっぱいで帰ってほしい。でも、翌日に軽快に朝食を食べられる状況であってこそ、支払っていただいたお金が生きると思います」
普通は、フレンチレストランでお腹いっぱいになるまで食べたら、翌朝はお腹なんてすきません。ましてや、10皿を超えることもあるフレンチのフルコース!お腹が空かないどころか、胃もたれしていることだってありえます。胃もたれする食べ方というのは、ただ食事量が多いだけではなく、脂肪分が多かったりして、消化に負担がかかる、太りやすい食べ方とも言えます。どうしたら“お腹いっぱいになっても翌朝快適!”が叶うのでしょうか。
食材を仕入れるときからお客様の胃や年齢のことを考えていたといいますが、共通していえるのは次のことでした。