災害被害額出典:平成22年度防災白書 図1-1-1

 次に、地震による災害被害額を紹介したい。防災白書には、1979年から2008年までに、日本が災害により被った災害被害額が記されている。それによると、29年間の間に約20兆円以上に達しているのだ。これは、世界の災害被害額の10%以上が、日本の災害被害総額にあたるという驚くべきデータである。

古くは地震雲、電磁波、動物の異変…
地震予測の仕組みは進化しているか

 我々がいかに地震と隣り合わせの生活を送っているか、おわかりになっただろう。こうした状況だから、日本では昔から「地震予知」の研究が行われてきたわけだ。いくつか耳にしたことがあるかもしれないが、その研究は多岐に及ぶ。

 たとえば、地震発生前に異常気象が発生することを事前に検知するものがある。その1つが地震雲である。地震雲は、地震発生前の約2週間前から見られ、放射状・渦巻き状・直線状など様々な種類があるが、気象上の雲や飛行機雲と違い、風により流されることがなく、定点に長時間存在するものである。地震の前兆である地殻の衝突、歪などにより生じる電磁波が上空に雲を発生させるというメカニズムである。

 また、地震発生前に地盤から放出される電磁波を検出するものもある。阪神・淡路大震災の発生直前、ラジオから大きなノイズ音が聞こえたという現象が報告されている。 

 その他にも、動物の行動を見るものなど様々な研究があるようだ。こうした地震予測の手法の多くは信憑性が不明だが、霊能力的な力による予知研究まで存在するくらいだから、それだけ人々の期待を背負った分野と言える。

 そうした数ある地震予知の手法のなか、筆者が紹介したいのは日本における最先端の地震予知システムで、「ビジネス」という視点からも取り組みが開始されている。従来の学術研究というフィールドから新しいフィールドへと、地震予測は大きく変わろうとしているのだ。

 次回は、日本が取り組む地震予知の歴史に簡単に触れながら、「地震予知ビジネス」の最新動向の一例を紹介し、その展望を考えたいと思う。


検証!地震予知ビジネス最前線(下)「進化する『大地震予測システム』は日本を守り切れるのか」
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