優れたプロのそばにいて、育つ人、育たない人の違い
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拙著、『知性を磨く』(光文社新書)では、21世紀には、「思想」「ビジョン」「志」「戦略」「戦術」「技術」「人間力」という7つのレベルの知性を垂直統合した人材が、「21世紀の変革リーダー」として活躍することを述べた。第49回の講義では、「ビジョン」に焦点を当て、新著、『東大生となった君へ─真のエリートへの道』(光文社新書)において述べたテーマを取り上げよう。

一流のプロは必ず「師匠」を持っている

 前回、我々がプロフェッショナルの道を歩み、「職業的能力」を身につけ、磨いていくためには、「反省の技法」が極めて役に立つことを述べた。

 しかし、「職業的能力」を磨くために、我々が知っておくべき、もう一つ大切な技法がある。

 それは、「私淑の技法」である。

「私淑」とは、優れた能力を持っている人物を、心の中で「師匠」と思い定め、その人の仕事をする姿から、言葉を超えて、直接、その技術や心得を学ぶことである。

 実は、我々が、職業的能力を磨いていくとき、この「私淑する師匠」がいるか否かが、極めて重要である。なぜなら、プロフェッショナルとしての技術や心得を掴んでいくためには、ただ「経験」を積み、「反省」をするだけでは限界があるからだ。

 実際、世の中を見渡すと、一流のプロフェッショナルと呼ばれる人々は、職種を問わず、分野を問わず、誰もが、若き日に、優れた「師匠」との出会いを持っている

 その意味で、プロフェッショナルの道を歩むとき、若き日に、仕事の技術や心得において「師匠」と呼べる人と巡り会えるか否かが、その後の歩みを大きく左右してしまう。そして、その「師匠」との触れ合いを通じて、「師匠からの智恵の盗み方」をどれほど掴んだかが、その後の成長を決めてしまう。