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一見地味なアマゾンのスマートハウスから
何を読み取るべきか

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第446回】 2018年7月2日
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 レナーの他にもいくつかの建売住宅メーカーがやはりアップルからアマゾンに乗り換えたが、エコー対応のIoT製品が断然多いことも理由に挙げられている。アップルのHomeKit対応製品数は現在のところ60種あまり。一方、アマゾンによるとエコーに対応する製品は1200ブランドの製品4000種に上る。アップルが対応機器の見通しについてあまりオープンでないことも、乗り換えの理由になっているようだ。

 もう一つの特筆すべきポイントは、アメリカでは「音声」というインターフェイスがスマートハウスを推進する原動力になりそうだということが、同社の動きから感じられることだ。

未来感より地道な接続

 スマートハウスと言うと、システムが全体として整った近未来的な住まいが思い浮かぶが、アマゾンのアプローチにそんな美しい未来的な予想図はない。それよりも、エコーに対応するIoT製品を一つずつ増やしていく。アマゾンらしいオーガニックな拡張の方法だ。そして、気がついたらちゃんとした全体のシステムが出来上がっていた、ということがいずれ起こるのかもしれない。

 アマゾン・エクスペリエンスセンターを見ても、照明やドアから、エンターテインメント・システム、そしていずれ太陽光蓄電や省エネの制御まで、システムにつながる部品はそれなりに揃いそうだ。そしてそれまでの間に、我々はアレクサに話しかけることがすっかり日常のことになっているのだろう。

「アマゾン・エクスペリエンスセンター」の内部。アマゾン・エコーにつながる住宅家電機器はすでに4000種類を超えているという
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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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