ところが、バブル経済が崩壊し様相は一変。「一生、賃貸で暮らすほうが利口なのではないか」という価値観が表舞台に出てくるようになったのです。

 確かに、少子・高齢化が進み、日本の人口が減少しているのに対し、住宅の供給は増加する一方です。部屋余りの時代が来ていることは間違いなさそうです。

 そうなると、「使わなくなったら売るか貸すかすればいい」と思っていても、想定していたような価格や家賃で相手が見つかるかはわかりません。一方、借りる側に立ってみれば、物件が余っている状況のため、「家賃がどんどん値上がりして困る」「貸してくれるところがない」といった状況にはなりにくい、つまり借り手市場が今後も続くと推測されます。

持ち家派は定年までに住宅ローンを
完済させるプランにすること

 ただし、いくら部屋を借りるのが簡単になったとしても、月々の家賃を支払わなければならないことに変わりはありません。

 人生100年時代を迎え、寿命が延びるにつれ、家賃の支払期間も当然、長くなります。つまり、生活費にかかる住居費の総負担は非常に大きくなります。

 例えば、65歳で定年を迎え、90歳まで生きるとしましょう。仮に家賃が月に8万円として単純計算すると、「8×12×25」で2400万円の支払いが生じます。さらに寿命が10年延び、100歳まで生きたら3360万円になります。定年後までに用意するお金に、この金額を加えていかねばなりません。