部下を評価する際、上司は判断を誤る「評価エラー」を起こしがち。今回紹介する評価エラーは「論理誤差」。事実を見ずに、一般的イメージと結びつけた印象で評価を下してしまう失敗だ。人事・教育コンサルタントの森中謙介氏が、新著『社内評価の強化書』の中から、上司の論理誤差で誤解されないための注意点を解説する。
血液型と仕事ぶりを
結びつける「論理誤差」
たとえば、すごく記憶力のいい人がいるとしましょう。
そういう人に対して、「頭がよさそう」とか「仕事ができそう」などと高い評価をしてしまうことはありませんか?
そんなふうにイメージが先行して、実際には直接関係のないことと結びつけて判断し、評価してしまう――これを「論理誤差」といいます。
「論理誤差」は、相手の特徴をもとにして評価をしてしまう点で一種の「ハロー効果」といえます。
ただし、ハロー効果のように一つの際立ったよい点、または悪い点がない場合でも論理誤差は生じますし、評価をする人の価値観や性格に起因してしまうこともあり、回避するのはなかなか難しいといえます。
論理誤差の典型としては、たとえば、「血液型と性格・仕事ぶりを結びつける」ことでしょうか。