発達障害者と共に働くには
タスクの視覚化が有効

「特例子会社というのは、障害のある人の雇用の促進や、安定を図るために設立された会社のこと。正社員46人以上の民間企業につき法定雇用率の2.2%の障害者を雇用しなければなりません。一定の要件を満たせば、この数字は系列会社も含めてのものなので、グループの障害者雇用を、特例子会社でまとめて請け負うこともできるのです。あらかじめ障害があると分かっていれば、障害のない人との衝突を避けることができますし、雇用された障害者側も、時短などを含め個々の能力に合った仕事をすることができる。雇用主と障害者の双方にメリットがあるのです」

 とはいえ、小資本の中小企業が特例子会社を設立するのは簡単ではないだろう。そこで、実際に発達障害者と一緒に働く際の、具体的な配慮の仕方を聞いた。

「発達障害のある人々にとって重要なのは視覚。なので、大きなボードにスケジュールや重要なタスクを書いておくなどの工夫をすれば、発達障害者にありがちな、業務の抜け落ちを減らすことができるでしょう。また、特にASDの人は急な変化に対応するのが苦手。突然『これ、処理しておいて』と言われてもパニックになってしまいます。比喩も苦手なので、この場合、『処理する』ことが捨てることなのか、仕事を終わらせることなのかが分かりません。従って、指示をする際は『今やっている仕事は中断してください。いつ、どこで、どうやって、何時何分までに、○○の集計を終わらせておいて』と、かなり具体的に言う必要があります」

 発達障害者は一見、障害があるようには見えないことも多いが、障害がない人との間には、薄い膜のような隔たりがある。一見破れそうで破ることができない、双方がもどかしく感じる隔たりだ。

 発達障害がある人々は、自らの適性をしっかり把握した上で職業を選ぶべきであり、雇用主側は、発達障害という特性を理解し、ケアをする必要がある。双方が歩み寄ることで、共存が可能になっていくはずだ。