米国の小売り大手・ウォルマートが傘下の西友を売却する方針西友には老朽化を隠せない店舗も多い Photo by Satoru Okada

米国の小売り大手・ウォルマートが傘下の西友を売却する方針だと報じられた。国内外のIT企業の名前が買い手に浮上するが、コトはすんなりと進むだろうか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

 果たして買い手はつくのだろうか――。

 日本経済新聞電子版が7月12日に報じた総合スーパー(GMS)西友の売却報道。親会社の米流大手・ウォルマートが複数の流通大手や投資ファンドに打診しているという。

 旧西武百貨店の下で誕生し、関東を中心にGMSの雄として成長したが、ウォルマート傘下に入ってからは、「EDLP」(Every Day Low Price、セールをしない恒常的な低価格販売)を掲げた。ウォルマート流の商品調達や流通の効率化でコストを抑え、低価格販売を進めてきた。

 非上場のため詳細は不明だが、年間売上高は約7000億円とされ、日経新聞は「最終損益はトントン」と表現した。

 西友のネットスーパーのページを開けば、人気のアイスキャンデー「ガリガリ君ソーダ」が55円(7月16日現在)と、いくら“客寄せ”商品とはいえ確かに安く、利幅が大きいビジネスでないのは明らかだ。しかも、イオンが傘下のダイエーやイオンリテールの立て直しに四苦八苦しているように、GMSで今後の大きな成長が見込めるとの声は少ない。