まず、成育環境の改善として、ニホンウナギが隠れられる環境を作ろうと岩などを使い河川に人工的な隠れ場所を作ったり、遡上しやすいように川に大きな段差があってもそこを通れるように魚道を作ったりといった取り組みが行われています。

 また、国が主導して養殖池に入れるシラスウナギの量を制限する「池入れ量制限」が全国的に行われており、現在の日本におけるニホンウナギの池入れ量の上限は21.7トンとされています。それから、例えば静岡県では県内の河川などで、毎年10月から2月にかけてウナギを禁漁とする対策が取られており、他の都道府県でも禁漁期が設けられています。

 そして、今年から行われている対策がウナギの魚体を通常よりも大きくしてから出荷する「太化(ふとか)」です。

 一般的には、関東では約200グラムサイズ、関西は約300グラムサイズのウナギが好まれる傾向にあります。そんななか、ウナギの養殖業者で構成する日本養鰻漁業協同組合連合会が今年の春、通常の倍程度の大きさである約400グラムサイズへと成長させてから出荷することを呼び掛けました。

 つまり、尾数はそのままで重さは増やし、1匹あたりの食べられる量を多くするという方法です。強制ではありませんが、ウナギのかば焼き店で構成されている全国鰻蒲焼商組合連合会などに呼び掛けるなど、関係者の協力を仰いでいます。

――ウナギが減少しているなら、ウナギはもう獲らないほうがいい、食べないほうがいいという意見も聞こえてきます。これは正しい対策になるのでしょうか?

「ウナギを獲らない」という方法は、「ウナギの漁獲」と「ウナギの減少」の因果関係が明らかならば、対策として大いに意味があると思います。しかし、それが明らかになっていない現状では、全く獲らなくなることでむしろ資源を減らしてしまう可能性もなきにしもあらずです。

 例えば、それによって養鰻業者が解散し、現在行っている河川等への環境保全策が実施されなくなれば、河川の環境がますます悪化して、ニホンウナギがさらに住みづらくなるかもしれません。

 また、完全に禁漁しても、ウナギを食べたい人は依然いるでしょうし、供給がほぼない分、お金もいくらでも出すでしょうから、闇での取引と同時に密漁が増えてしまう可能性も否定はできません。