まず基本計画は、再生可能エネルギーの普及にかじを切り、原発は「可能な限り依存度を低減する」としながら、「重要なベースロード電源」と位置づけて再稼働を推進するとした。

 基本計画が想定するように、2030年度の原発比率を20~22%とするなら、約30基も原発を稼働させなければならない。だがそれは、極めて非現実的で、安全無視を前提としなければ達成できない。

 現在、新規制基準の下で再稼働したのは9基で、今後、17基(建設中の3基も含む)がそれに続くというが、現在ある原発を40年で廃炉することを前提とすれば、2030年に動かせるのは全部で18基(建設中を含めたとしても21基)だ。

 しかも、その中には東海地震の震源地に近い浜岡原発3号機、中越沖地震で被災した柏崎刈羽原発4、6、7号機、東日本大震災で被災した女川原発2、3号機なども含まれている。

 それを考えると、結局、2030年時点で30基を動かすには、すべての原発を60年稼働することを前提にしなければならない。経産省・資源エネ庁が福島第1原発事故を真剣に反省しているとは、とうてい思えない。

原発を多く動かす計画で
「高コスト」露呈を隠す

「可能な限り原発依存度を低減する」としながら、なぜ、かくも多数の原発を動かすことを前提としなければいけないのか。

「原子力ムラ」の圧力が存在することは容易に想像できるが、論理的にも、そうしないと原発の存立根拠がなくなるからだ。

 現状のモデルプラント方式による原発コストの計算では、福島第1原発の事故処理・賠償費用は「社会的費用」としてコストに乗せられ、最終的には電力料金として国民が負担している。

 動かす原発の基数が少ないと、これが原発1基当たりの発電コストに反映され、原発の発電コストが高くなってしまう。それでは原発が「安いエネルギー」でないことがわかってしまうわけだ。

 他方で、福島第1原発の事故処理費用は、2016年12月9日に、経産省「東京電力改革・1F問題委員会」が11兆円から約22兆円に倍増したと発表せざるを得なくなっている。

 原発の発電コストを低く見せるには、どうしても原発を多く動かさないといけないのだ。