今年4月、三菱自動車の海外販売の最高責任者に、専務執行役員のギョーム・カルティエ氏(49歳)が就いた。日産自動車から送り込まれたこのフランス人が、日本のメディアで初めて本誌の取材に応じ、三菱自変革の狙いと展望を明かした。(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)

三菱自動車専務執行役員(グローバルマーケティング&セールス担当)ギョーム・カルティエ氏
Guillaume Cartier/1969年生まれ。95年仏エセック・ビジネススクール(ESSEC)卒業後、日産自動車に入社。欧州日産の販売担当副社長などを歴任し、2017年三菱自動車常務執行役員。18年4月より現職。 Photo by Masato Kato

「三菱自動車で働くということは、私にとって面白い挑戦だ。三菱自の社内は今『変わりたい』という欲求が非常に強い。私のミッション? それはこの会社を成長させること。非常にシンプルだ」

 そう語るカルティエ氏は、三菱自を傘下に収めた日産自動車のカルロス・ゴーン会長らの招聘で昨年4月に来日。わずか1年で海外販売のトップに就任したことは、関係者に衝撃を与えた。同ポストは伝統的に、最高経営責任者(CEO)の益子修氏ら三菱商事の出身者が独占してきた“牙城”だったからだ。

 カルティエ氏は早速変革の大ナタを振るう。今年6月、フィリピンの生産・販売会社に出資する双日から全株式(発行済み株式の49%)を買い取り、100%子会社としたのだ。この提案に当初抵抗した双日側に、いわば“引導”を渡すよう主導したのがカルティエ氏とされる。

「私はこれまでとは違う視点でビジネスを見ることができる。今ある三菱流のやり方からベストのものを選択し、さらに私の方から新しい仕事のやり方を紹介できる」

「三菱自はフィリピンで生産している。それをビジネスフルに把握し、生産から販売まで自分たちでコントロールできるようにしたことが株式買い取りの目的だ」