今年の夏は暑いので、万全の熱中症対策を今年の夏は暑いので万全の熱中症対策で乗り越えよう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

明日11日の山の日から夏休みという人も多いだろうが、日本列島は台風も去って再び酷暑が予想される。高齢者に限らず、誰でも「熱中症」になることを想定し、症状と緊急対応を頭に入れておこう。熱中症対策について、世代別にまとめてみた。(医学ライター 井手ゆきえ)

乳幼児、子どもの場合
不要な外出を避けるのが大原則

 乳幼児は体温調節機能が発達していない。発汗や体表の血流を増加させて放熱することができず、体内に熱がこもる。

 その一方で、汗や尿として出ていく水分も多く脱水症状を起こしやすい。急にぐったりする、無口になる、大量の汗、逆に暑そうなのに全く汗をかいていない、呼びかけても反応が鈍い、などの症状を認めたときは、水分補給と身体を冷やすことを最優先にしよう。

 もし、自力で水を飲めないようであれば、迷わず救急外来に飛び込もう。

 この時期は、とにかく不要な外出を避けるのが大原則。やむなく外出する際は、以下の4点を心がけたい。

(1)水分をこまめにとり、通気性の高い衣服や帽子をかぶる
(2)アスファルトの放射熱は侮れないので、長距離移動の際はベビーカーを利用する。ただし、ベビーカーはある意味で“高温多湿の密閉空間”だ。時折、日陰に移動して胸の高さまで抱き上げ、全身を風に当ててあげよう。
(3)車内に置き去りにしない
(4)長時間、外にいない

 両親も暑さで注意力が散漫になっているので、わが子の様子から目を離さない意識が大切だ。