リートフェルト居室
リートフェルト居室

 日本でも2003年から新設の特別養護老人ホームは10人のユニット型しか認められない。だが、残念ながら有料老人ホームでは未だに多人数の大食堂方式で次々建設されている。認知症ケアが必要な入居者が多数であるのもかかわらず、だ。

 オランダの新施設ではユニット型が徹底されており、居住環境は申し分ない。今年の視察先のリートフェルトも例外ではなった。開設は3年前。デンハーグから東へ10キロほど、アルフェン・アン・デンライン市内の開発されて間もないニュータウンに建つ。運営する法人、アクテビテは周辺のゴーダ地域に9つの施設を持つ。

リートフェルト外観
リートフェルト外観

 2階建てコノ字型の建物内には、ほぼ8人ずつの個室ユニットが19連なり、150人の認知症の人が暮らす。居室は10畳ほど(約30平方メートル)で洗面所が備わり、ベッドやテレビなど普通の家そのもの。トイレやシャワーなどの水回り室はドアの外にあり、8人のグループに4室。

 それぞれのユニットの外観がとてもユニークである。煉瓦塀やスレート屋根などユニットごとに材質と色彩がバラバラ。オランダの伝統的な街並みを再現させている。懐かしい気持ちになる入居者が多いだろう。回想法を実現させた。ミシンや写真、ポスターなどを並べた回想法はよく見かけるが、建築物の外観全体に施すのは例がない。

「認知症に人には生活環境がとても大事。普通の暮らしを続けてもらっています」と、施設長のピーター・デ・ヨングさん。認知症ケアをよく分かっている。

 黄色やピンクの花が咲き、緑の豊かな中庭も自宅の延長を醸し出している。間口が狭い都市住宅でも、裏に回ると手入れの行き届いた中庭が必ずあるのがオランダ人の家だ。

レストランや洒落た売店・美容院も
「認知症の人の街」を施設内に作る

リートフェルト美容院
リートフェルトの施設内にある美容院

 普通の暮らしを目指すからには、レストランや売店、美容院なども欠かせない。多くの施設では、玄関を入ると必ずと言っていいほど目を引くのが洒落た売店と美容室である。バーカウンター付きのレストランもよく目にした。

 つまり、街そのものを施設内に再現させてしまおうと言う意気込みが感じられる。「認知症の人の街」として海外の主要メディアが取り上げ、評価の高い「ホグウェイ」はその代表である。