20代でも発症、早期発見も難しい
「スキルス」という厄介な胃がん

 胃がんの検査法や治療法が極めて進化した現在、「胃がんは治る病気で恐れるに足らず」と言って良いのですが、例外もあります。「スキルス胃がん」と言って、原因が明らかではなく、粘膜の下を這う厄介なタイプの胃がんがあります。

 胃がんの中での発生頻度は1~5%と比較的少ないのですが、20代でも発症します。発見が難しいために相当に進行した状態で見つかることがほとんどで、根治的治療は極めて難しいがんです。膵臓がんと並んで代表的な「難治がん」と位置付けられており、私たち医療従事者もその管理には非常に悩まされています。その治療法は、根治的治療としての手術ではなく、延命を目的とした化学療法にならざるを得ません。

 スキルス胃がんに対しては、新たな標準治療として期待される免疫チェックポイント阻害剤による治療や、これからの治療である遺伝子治療など、有効な治療法の開拓や効果検証が求められます。

ピロリ菌の有無のチェック、
胃酸の逆流を防ぐ生活への改善を

 さて、胃がん対策として、日常的にはどのようなことに気を付けるべきでしょう。

 まずは、胃がん発生を予防することが大切です。胃がんの原因としてピロリ菌感染や胃酸の逆流が挙げられるわけですから、まずピロリ菌感染の有無を確認するのが大切です。血液検査や呼気検査、できれば内視鏡検査をまず受けていただきたいと思います。

 ピロリ菌感染が確認されたら除菌薬を服用します。それによりほとんどのピロリ菌は駆除できます。仮に駆除ができなくても、ピロリ菌感染があったことを受け入れて定期的に(1年に1回)胃内視鏡検査を受けてがんの早期発見に努めれば良いのです。

 胸やけは胃酸の食道への逆流症状です。これを自覚したら速やかに内視鏡検査を受けるべきです。胃酸の逆流を防ぐには、胃酸の過度の分泌を防ぐことと、逆流を促さないことがポイントになります。そのためには、暴飲暴食や刺激物の摂取を避ける、肥満にならない、食後すぐ横にならない、などが求められます。

 また、ストレスは、免疫力を低下させることがわかっています。免疫力の低下はがんの発生リスクを高めます。がん予防には食事や運動面での管理に加えてストレスのコントロールが非常に大切です。

(北青山Dクリニック院長 阿保義久)