辞めたい部下
辞めたいという部下、どう引き止めればよいのでしょうか? Photo:PIXTA

突然「辞める」と言い出した部下を引き止める方法はないか――。前回の記事では、部下が会社を辞める動機について、「悩みブレーキ」や「環境スライド」といった概念を用いて私なりの考えを書かせていただいた。実際、私が受けた相談でも、なんとなくもやもやとした悩みを抱え、環境を変えれば解消できると思い込んでいる者は少なくなかった。ただ、すべての退職・転職希望者がその状態というわけではないし、会社や上司の都合だけで誰彼構わず引き止めればよいとも私は思っていない。

そこで今回は、「辞めたい部下」に対して、上司はその状況をどう判断し、彼らに何がアドバイスできるのかを考えてみたい。また、今回ご紹介する内容は、漠然と転職を考えている社員の方にとっても、自分の進路を考える一助になると思うので、ぜひ参考にしていただきたい。(アイランドクレア代表取締役 吉田行宏)

「辞めたい動機」や「他責傾向」から
部下の状況を正しく判断しよう

 前回の記事「部下が「突然辞める」のはなぜ?上司が見逃す離職のサイン」でもお伝えしたように、部下が会社を「辞めたい」理由はさまざまだ。上司としては、こうした「辞めたい部下」にどう対応するべきか悩ましいところだが、私は部下のタイプによって、できるアドバイスも変わると思っている。

 まずは、部下のタイプを分けて考えられるよう、次の図を用意した。

 この図は、「辞めたい部下」の状況や気持ちのうち、注目すべき2つの軸にフォーカスして作成したものだ。

 図の縦軸は、「彼らは、退職・転職に対して正しくしっかりした動機を持っているか?」という【正しく強い動機】軸である。

 例えば、下記のチェックリストを使うことで、【正しく強い動機】があるかどうかが見分けられる。

《動機がある例》
□今の会社の事業内容と自分のしたいことが明らかに違う。俳優になるなど。
□自分で会社を創業し、事業を始めたい。

《動機がない例》
□職場の雰囲気がなんとなく自分に合っていないと思う。
□今より規模の小さい会社のほうが、自分が活躍できるのではないか。

 上の2つには、本人の目的やビジョンが感じられるが、下の2つからは部下の気持ちが明確に定まっていないことがわかると思う。