「作業」ではなく、「作戦」を伝えよう!

 あなたは細かいWhatを指示しているので、相手はそのWhatの意図や意味を理解できないのです。

「30軒電話して5軒のアポをとる」Howは、50軒のリストを用意することではありません。本当のHowは次のようなものです。

あなた「50軒のリストは『過去、参加したことがある人』から集めよう」
相 手「それはなぜですか?」
あなた「過去参加したことがあるので、その理由を教えてほしいと言えばアポはとりやすいから」
相 手「なるほど! 確かにそうすればアポはとりやすそうですね」
あなた「PRや売り込みではなく、『昔は参加していたのに、今は不参加の理由を教えてほしい』と言えば、教えてくれるはずだよ」
相 手「理由を教えていただけそうですが、どう参加に結びつけるのですか?」
あなた「参加しなくなった理由を整理し、解消する方法を教えてあげれば参加してくれる可能性が高まるよね」
相 手「なるほど、そうですね! どうやって理由を整理するのですか?」
あなた「参加しなくなった理由を、『(1)これから解消できそう』『(2)解消できない』の2つの視点で整理し、(1)は解消する方法を一緒に考えよう。その方法を精査し、参加しない理由を踏まえたうえで、もう一度アプローチすれば参加してもらえる可能性が高まるよね?」
相 手「確かにそうすれば参加してくれそうですね!」

 Whatが細かい作業レベルになっていないか、きちんとHowになっているかを確認する方法は1つ。「作戦」を話しているかを確認するのです。

 この例では「参加者がこなくなった理由を聞き、それを解消すれば参加してもらえる可能性が高くなる」が作戦になります。

 迷ったときは、「仕事をうまく進めるポイントは何か?」を指示しているか確認してください。急いで指示を出すときこそ、作戦から伝えていけば、やり直しは最低限に抑えられます。

■参考記事
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