株主とは?
ただし、お金は持っているけど、経営はできない、したくないという人もいます。全員が会社に出勤して実際に働けるわけではないのです。そうすると、誰がその会社に出資したのかをちゃんと証拠として残しておかなければいけなくなる。その「証明書」が「株」なんです。そして、株を持っている人を「株主」といいます。
株式会社は、株主がお金を出してつくった会社です。ということは、その会社は「株主のもの」になります。みんなでお金を出し合って買ったものは、「お金を出した人のもの」になりますよね。それと同じ理屈です。
つまり、ここで重要なのは、「株主」と「会社の社長」は同一ではないということです。
社長が株主じゃない可能性もあります。いわゆる「雇われ社長」というイメージです。また、社長が株主のひとりだったとしても、みんなでお金を出してつくった会社なので、社長は「所有者のひとり」にすぎません。
ですから、社長だからといって、何でもかんでも自由勝手にやっていいというわけではないのです。
また、株主はお金は出しますが、その企業の日々の経営に深くかかわるとは限りません。むしろ現代ではお金だけ出して、ほとんど経営には携わっていない、かかわることができない株主が多いでしょう。そこで株主は、日々の管理を社長を含めた「取締役」に任せるのです。
でも勘違いしてはいけません。社長を含め、取締役は「任されているだけ」で、「自由にしていい」わけではないのです。
社長は株主の意向に沿うように、会社を管理、経営する義務があります。あくまでも株主の会社なので、株主が損をするようなことを意図的にやってはいけないのです。
冒頭のオリンパス、大王製紙の事例は、株主の不利益になるようなことを経営者が勝手にやってしまった「事件」です。そのため、オリンパスの前会長は逮捕、大王製紙の元会長は起訴されたのです。